花粉症の時期と原因植物

花粉症の時期と言って一番に思い浮かぶのはやはり春先。しかし花粉症の原因植物はこれまでに確認されているもので50種類から80種とも言われており、それぞれ植物の時期により花粉の飛散は変わってきます。それでは一体どんな原因植物の花粉が、どの季節に多く飛散するのでしょうか？ここではそれぞれの季節に多く見られる花粉症の原因植物を、季節ごとにまとめました。

花粉症　原因植物と飛散時期の特徴

花粉の飛散は、花粉症の原因となる植物の生育時期や地域によりそれぞれ違ってきます。例えば原因植物として最も患者数が多いとされるスギ花粉症は春、イネ科花粉症は夏、ブタクサ花粉症は秋、ハンノキ花粉症は冬と、日本国内では花粉症の原因植物が年間を通して飛散しています。

 

また、日本の国土は南北に長く伸びた地形のため、花粉症の原因植物の成長は当然ながら地域によって異なります。それに伴って花粉の飛散時期も変わってきます。例えば九州と北海道では花粉の飛散時期に1ヶ月ほどの差が出る場合も。また、春に多いスギ花粉症が北海道ではほとんど見られず代わりにシラカバ花粉が多くなるなど、地域による生息植物の違いも見られます。

《 原因植物の特徴 》

時期	植物の種類
春に多い	スギ、ヒノキ、その他樹木系植物
夏に多い	イネ科植物
秋に多い	ブタクサ、ヨモギ、キク科植物
冬に多い	ハンノキ

 

 

花粉症　春の原因植物

花粉症のシーズンと言って一番連想しやすいのはやはり春です。春は花粉症の原因植物が多く飛散する季節。中でも、花粉症の原因として国内で最も多いのはスギ花粉です。スギ花粉は花粉症全体の約80%を占めると言われ2月頃より飛散しはじめます。スギ花粉に続いて3月頃飛散し始めるのはヒノキ花粉。ヒノキ花粉症の約70%がスギ花粉症でもある事から「スギ・ヒノキ花粉症」とも呼ばれます。スギ花粉の飛散がほとんどない北海道で、春の花粉症といえばハンノキ花粉症が一般的。3月頃より飛散し始めます。また、ハンノキ花粉症に続いて4月頃より北海道ではシラカバ花粉症も見られます。

 

《 花粉症　主な春の原因植物 》

花粉症の原因植物	時期と地域
オオバヤシャブシ	3～4月　関東
カバノキ /コナラ	4～5月　全国
シラカバ	4～6月　関東以北
スギ	2～5月　北海道を除く全国（九州・四国2月上旬～/関東2月下旬～/東北地方3月～）
ハンノキ	1～5月　全国（本州1月～/北海道3月上旬～5月上旬）
ヒノキ	3～5月　関東以南
ネズ	4～5月　北海道を除く全国
リンゴ	4～5月　主に東北

 

 

花粉症　夏の原因植物

夏に多く飛散する原因植物の花粉は主にイネ科の植物。イネ科花粉症は、スギ花粉の飛散時期が終わる5月頃より飛散を始めて、本州では7月頃まで飛散が続きます。東北や北海道では8月頃まで飛散する事も。植物の種類によっては10月頃まで飛散する花粉もあります。イネ科花粉症の種類ではオオアワガエリやカモガヤのが代表的な原因植物。しかし5月～7月、梅雨の時期に突入するためその多湿な気象状況から花粉は飛散しにくくなります。しかし梅雨のない北海道は例外でイネ科花粉症は多く見られます。

 

《 花粉症　主な夏の原因植物 》

花粉症の原因植物	時期と地域
オオアワガエリ	4～8月　全国
カモガヤ	4～7月　全国
スズメテッポウ	3～7月　全国
スズメノカタビラ	3～5月　全国
ハルガヤ	5～7月　全国
ホソムギ	4～7月　全国

 

 

花粉症　秋の原因植物

花粉症の秋の原因植物と言えばブタクサとヨモギが良く知られる所です。最初に日本国内で確認された花粉症の種類は実はブタクサ花粉症。後にスギ花粉症が増加するまで、一般的に花粉症といえばブタクサ花粉症の事でした。食材など様々な製品の材料に使用される事が多いヨモギもまた、秋に多く見られる花粉症の原因植物のひとつ。

全国的に繁殖するヨモギは、最近では特に多く見られるようになって来ました。またブタクサ花粉症やヨモギ花粉症は、果肉過敏症（口腔アレルギー）を併発する場合もあるので注意が必要です。その他カナムグラ花粉症も秋の代表的な花粉症のひとつ。カナムグラもまた日本国内あらゆる場所に自生する事で知られています。

《 花粉症　主な秋の原因植物 》

花粉症の原因植物	時期と地域
アキノキリンソウ	10月～11月　全国
オオブタクサ	8～10月　北海道を除く全国
カナムグラ	8～10月　全国
カラムシ	9～10月　北海道を除く全国
ギシギシ	5～8月　全国
ヒメスイバ	5～6月　全国
ブタクサ	8～10月　全国（東北以北では8月～9月、九州では9月～10月）
ヨモギ	8～10月　全国（東北以北では8月～9月、九州では9月～10月）

 

 

花粉症　冬の原因植物

冬には花粉症はほとんどありません。スギ科やイネ科の植物の花粉が飛散している事もありますが、一般的には人に影響を及ぼす程の量ではないようです。ただし、スギ花粉など春の花粉症が早くて1月下旬頃には飛散する場合があります。