花粉症の基本
花粉症の原因
花粉症の症状
花粉症の対策
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花粉症とは?
それでは一体花粉症とはどのような病気なのでしょうか?ここでは花粉症の定義から、花粉症の起こるメカニズムについてお話ししていきます。また花粉症が分類される、アレルギー性疾患の基本についての説明も。
花粉症の定義
花粉症とは、植物の花粉が原因となって起こるアレルギー性疾患のこと。アレルギーを起こす原因植物の花粉「アレルゲン」が、人が呼吸をすることで鼻や喉から体内に侵入。その後も毎年体内に少しずつ侵入し続けます。それに対してこのアレルゲンから守るために、人の体内では何年もかけて抗体「IgE」が生成され続けられます。
花粉の電子顕微鏡写真
このIgE抗体が作られた後に体内に新たに花粉が取り込まれると、鼻や眼の粘膜にある「肥満細胞」とIgE抗体が結合。アレルゲンである原因植物の花粉を体内から排出しようと、肥満細胞から炎症物質である「ヒスタミン」などを放出します。その結果、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を伴った「アレルギー反応」が起こります。
これが花粉症です。花粉症が発症した場合のIgE抗体の量は一定量より増加しますが、アレルギー体質の有無やそれぞれの体質などそれぞれ個人差があります。また、大気汚染など生活環境でも左右される事が分かっています。
花粉症のメカニズム
花粉が鼻や喉から侵入 原因植物の花粉が、呼吸をすることで鼻や喉から体内に侵入。 | |
IgE抗体の生成 アレルゲンである花粉から人の体を守るため、抗体「IgE」が作られる。 | |
鼻や眼の粘膜にある肥満細胞とIgE抗体が結合 IgE抗体が作られた後に体内に新たに花粉が取り込まれ、鼻や眼の粘膜にある肥満細胞とIgE抗体が結合。 | |
ヒスタミンが放出 アレルゲンである原因植物の花粉を体内から排出しようと、肥満細胞から炎症物質であるヒスタミンなどを放出。 | |
花粉症の症状が見られるようになる 鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を伴ったアレルギー反応が起こる。 |
そもそもアレルギーとは?
花粉症は「アレルギー性疾患」の一つ。人の体内には、アレルギーの原因となる物質「アレルゲン」が、人の体内に侵入した時にこのアレルゲンに対抗するため、抗体を作り抗原を排除しようとする「免疫反応(抗原抗体反応)」という機能を持ち合わせています。この作用は、正常に機能すれば人の体を防御する事になりますが、免疫反応が過剰に反応しその範囲を超える事があります。この状態を「アレルギー」と呼びます。
元々アレルギー反応は、有害物質を排除して体を浄化させるために発生するもので、アレルギー反応自体は異常ではありません。それどろこか、アレルギーは体の活動を正常に保つためには欠かせない「免疫機能」との位置づけもされています。これら原因物質であるアレルゲンには、食べ物や、ダニ、ほこり、車の排気ガス、化学物質など様々な種類が挙げられます。主なアレルギー性の疾患には、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などと深く関わっているのです。
アレルギーはその症状によってI~IV型の4つに分類されます。
【I型アレルギー・即時型】
I型アレルギー・即時型は、 IgE抗体が肥満細胞と結合し、ヒスタミンなどの物質を放出。これにより痒みや腫れなどの症状が現れます。この反応は抗原が体内に侵入すると、数分から半日位など即時に反応が起こります。そのため即時型過敏と呼ばれ、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、じんましんなどの症状を伴います。花粉症はこのI型アレルギーにあたります。この反応により、急激に血圧が低下するなど全身性のもので特に重篤化したものを「アナフィラキシーショック」と呼びます。
- I型アレルギー・即時型の代表的な疾患
- 花粉症
- アレルギー性鼻炎
- 気管支喘息
- じんましん
- アナフィラキシーショック
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
【Ⅱ型アレルギー・遅発型】
Ⅱ型アレルギー・遅発型は、IgGが抗原の細胞に結合し白血球が細胞を破壊して起こる反応です。体内に有害な物質を排出しようとして細胞が破壊されるため症状が現れます。代表的な疾患には、ウイルス性肝炎やリウマチ熱、悪性貧血などが挙げられます。Ⅱ型アレルギー・遅発型は、一般的に抗原が作用してから数時間~1日以内に症状が現れます。
- Ⅱ型アレルギー・遅発型の代表的な疾患
- ウイルス性肝炎
- リウマチ熱
- 悪性貧血
- 自己免疫性溶血性貧血
- 重症筋無力症
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 不適合輸血
- 薬物アレルギー
【Ⅲ型アレルギー・遅発型】
Ⅲ型アレルギー・遅発型は、免疫反応によって、抗原や抗体などが結合する免疫複合体となり血液循環に伴って、細胞組織に悪影響を与えて起こるもの。抗原が作用して、数時間~1日以内に発赤や浮腫などの症状が現れます。
アルサス型反応 | 炎症が特定の部位に限定的に留まって起こるもの。過敏性肺炎など |
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血清病 | 炎症が全身に及ぶもの。全身性エリテマトーデス、糸球体腎炎など |
- Ⅲ型アレルギー・遅発型の代表的な疾患
- 過敏性肺炎
- 全身性エリテマトーデス
- 糸球体腎炎
- アレルギー性血管炎
- 関節リウマチ
- 多発性動脈炎
- リウマチ性肺炎
【Ⅳ型アレルギー・遅延型】
Ⅳ型アレルギー・遅延型は、抗原とT細胞の反応によって起こるもの。T細胞から様々な生理活性物質が遊離し、周囲の組織に悪影響を与える事でアレルギー反応が起こります。ツベルクリン反応や接触性皮膚炎、薬物や金属アレルギーなどはこのⅣ型アレルギー・遅延型にあたります。唯一細胞性免疫が関わっているアレルギーのため、リンパ球の増殖や活性化などに時間を要します。そのため、遅延型過敏症と呼ばれ、抗原が作用しておよそ1日から2日ほどで発赤や硬結などの症状が現れます。
- Ⅳ型アレルギー・遅延型の代表的な疾患
- ツベルクリン反応
- 薬物アレルギー
- 金属アレルギー
- ギラン・バレー症候群
- 腫瘍免疫
- シェーグレン症候群